山北町営斎場 by渓流ファン様


管理人のコメント
東名”都夫良野トンネル”... 交通事故が非常に多く、巷では魔のトンネルなどと
呼ばれております。当然この火葬場はその真上に位置するので、小坪誠行社火葬場
同様”心霊スポット扱い”されて来ました。
管理人も昭和59年にこの地を訪れていますが、曲がりくねった林道の中にあって完全に
見落としてしまい、何度か行ったり来たりした挙句、やっと見つけたそれがとても火葬場
らしくない近代施設(当時としては)だったので拍子抜けした記憶があります。
あれから20年余、多少くたびれた感じはありますが(当時は待合室は無かったと思う)
本当に久しぶりに”再会”出来て感無量です。  渓流ファン様、ありがとうございました。

ちなみに、炉裏に置いてあるバキュームクリーナーはS立機器もしくはZ王産業製ですね。
おそらく一般的な産業用真空吸引掃除器だと思います。

以下、渓流ファン様のレポート



神奈川県の西のはずれ、山北町の斎場は東名高速都夫良野トンネルのほぼ真上の
山中にあります。JR御殿場線谷峨駅の近く、酒匂川沿いの道から別れるつづれ折れの
山道からさらに分岐した林道が斎場に通じています。

分岐点にある看板です。
なお、これらの道は町内のハイキングコースの一部で、斎場への林道もさらに奥の
牧場などに通じています。


斎場への林道です。樹々の幹には工事(伐採?)の為の目印が巻かれています。
この付近の山林一帯に保養施設が計画されているそうです。
施設のエリアにかかるという火葬場も廃止・移転される可能性があります。


分岐から200メートル余り。斎場全景です。
敷地とその周囲は林も途切れ、日当たりの良い場所です。
構内で休憩しておられた地元の方(山菜採り)によれば、30年以上も前から火葬場
だったそうで、旧施設は「煙突付き小屋」だったらしいです。(山北町HPによれば昭和36年設置)
現在、地元住民でも小田原斎場を利用しここでの火葬は少ないとも聞かされました。


 火葬棟です。例によって年金積立金還元融資で建築されています。
炉数1基、台車式、短煙突前室なしの施設です。
ほぼ南西に面しており、午後の陽射しを浴びていました。
前面はガラスを多用し、炉前室は3角のコーナーが左右に張り出し6角形の平面を作っています。
完全に素通しで、遮光フィルム、半鏡面処理等の隠蔽加工はなされていません。
コンクリ部の白い塗装とあいまって非常に明るい感じがします。


火葬棟の側面です。背後は普通のコンクリ建築です。
作業室部分の窓は反対側面と背面とにあり、風通しは良さそうです。
普段は無人のためか、管理人室や休憩室はありません。
大きなドアは火葬炉等の更新用でしょう。
燃料は灯油、タンク容量は約500リットルでした。


渡り廊下から写した待合室の中です。
待合棟張出し部には屋外から出入り出来るトイレがあります。
勝手知ったる土地の人やベテランのハイカーは、ここをお借りしている模様(笑)
付近で休憩していた土地の方たちと話していて感じましたが、
炉技術や建築デザインの改良により、「火葬場への嫌悪感」は確実に薄れています。


ガラス越しに良く見える炉前は、ごらんの通りの有り様です。
化粧扉は完全解放され、炉内台車が炉前に引き出されています。
霊砂(白い砂)が敷かれているところを見ると、次の火葬の準備状態のようです。
アーチ形の開口部を持つ断熱扉も少しだけ上げられています。
写真左には待合室に通じる短い渡り廊下への出入口が見えます。
その扉越しに地元の方が寄贈されたという六地蔵が並んでいます。


正面扉越しに、カメラを掲げてやや高い位置から。
写り込みが激しいので画像を処理しました。
右側、作業室への入口の前に収骨時用のトレーが写っています。
(作業室出入口は炉を挟んで左右両側にありました。)


反対側の作業室の扉も開いていて、あきれるやら驚くやら…………。
これも周囲に人家のない山奥の施設ならではでしょうか。
(でも人や車、バイクがけっこう通るんだよな、見てると。構内への出入りも平気でするし。)


火葬台車と炉扉付近です。
何も言いません。じっくりと、心行くまでご覧下さい。


さらにアップです。
断熱扉の前にあるアーチ(カマボコ)状に開口したパネルは、
炉内を少しでも隠すための工夫でしょうか?


炉前の隅(火葬棟の向かって右側のコーナー)には、
棺搬送用と思われる別の台車が置かれていました。


待合棟と結ぶ渡り廊下から火葬棟への出入口を撮影。
火葬棟の側面には錆びかけた古い搬送台車が置かれていました。
そして、出入り扉の傍らの地面には…………。


火葬中のご遺体を支え燃焼効率を上げる為の金具「ごとく(五徳)」です。
周囲の地面には炭化物が…………。
捨てられたのではなく、ここが冷却のための「定位置」と思われます。


作業室への扉の奥です。(※画像処理による露出オーバー気味ですが、暗い部分を
見せるためです)
炉体から張り出した火葬炉操作パネルボックスの背面が見えます。
手前にある「車輪つきドラム缶に掃除機のホースを付けたようなもの」は何でしょうか?
これが名古屋方面などで活躍中と聞く残骨処理用吸引機でしょうか…。
霊灰塔らしきものは見当たりませんでしたが、地蔵さんがそれなのかもしれません。

この火葬場の前からは箱根外輪山を一望でき、酒匂川の流れと東名高速を眼下に望めます。
眺望はとても良いです。
自然も豊かな中にある静かで小奇麗な施設でした。


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