”春遠からじ...ミカンの国へサンマイ探し”
和歌山県南部の火葬場レポート byあ〜様
第1弾
【はじめに】
まずはこの地図をご覧下さい。
このたび出張で和歌山に行ってまいりました。出張自体は2泊だったのですが、1泊勝手に追加して3泊4日ということで南紀を中心に回ることとしました。北部は大阪圏からも近いのでどなたかに回っていただければと考えております。
今回も結局ガンガンと施設の場所までは切り込んでおきながら、いざ施設を目の前にすると怯んで何もできなかったといういつものパターンで広く浅くのレポートとなっております。狭く深くを目指す私の行動とは全く正反対で不本意なのですが、何かの参考になればと思い投稿させていただいております。
毎度恐縮ですが、私の採集記風に記述させていただきます。
和歌山行きが決定して最初にしたことは「全国火葬場案内」の確認であった。とにかく「火葬場」と名のつくところは回りたい。ざっと見たところ、郡部ではまだ「火葬場」が多く残っているようだ。
今回滞在するところは白浜であるし、虫取りは串本へどうしても行きたかったので、行く場所は南紀を中心に考えることとする。
自分の中でいつも大きく興味が膨らむのは1つの自治体で2つ以上の施設がある場所である。そういう場所を見つけると何だかとてもウキウキしてくる。
火葬場案内にはやはりそういった自治体がいくつか掲載されていた。特に目を引いたのは美浜町の3つの施設で、是非ともそこは訪れておきたいと思った。
しかし、和歌山県内を移動するのは非常に時間がかかることを以前から聞いていた。何と言っても海沿いの道をグネグネと走らなければならない。限られた時間の中でいかに効率よく回るかが焦点となる。しかも虫取りもしなければならない。さぁ大変だ。
さっそく和歌山の地図を買いに行った。いつも自分が買うのは県別マップルである。だいたいの火葬場はこれで調べられる。虫取りとアレのためにこの県別マップルを購入しているのであるが、ずいぶんといろんな県のものが溜まってきた。地図オタクとしては大変喜ばしい。
今回もこの県別マップルを買おうと思っていたのであるが、実はこの県別マップル、種類が2つあるようだ。ページの数字の大きいものは縮尺率が高く、あまり詳しく載っていない。山口の地図もそれで苦労したのであるが、あまり意味がないので買わなかった県もいくつかあった。
和歌山の地図もページの数字が大きいタイプで、パラパラとめくっていると「火葬場」がほとんど載っていない。ダメじゃん!
上の段にあったニューエストの地図を見てみると、こちらはもっと高い縮尺率であったが、各市町村の都市部が拡大表示されており、都市部を見るのには都合が良さそうだ。「火葬場」の表記もたくさんあり、結局「火葬場」の差で今回はニューエストに軍配が上がった。山岳地帯が載っていないので虫取り的には×なのであるが、やはり今はアレの方が大事だ。
そしてさっそく電車の中で地図をチェックしてみた。
下津町の地図を見ている時に、とんでもないことに気づいた。まずパッと見て目に飛び込んできたのが「火葬場」の文字。そしてその近くにも「火葬場」の文字。さらにその横にも「火葬場」の文字・・・こんな火葬場まみれの地図は今まで見たことがない。半径500メートル以内に火葬場の文字が3つもあるなんてすごい地図だ!
それが冒頭に掲載した地図である。最新版を購入したので大きく情報が変わっていることはないだろう。全国火葬場案内で見ると、この火葬場は掲載されていなかった。期待は大きく膨れ上がり、どうしても下津町にも行ってみたくなった。
ところが先程の美浜町も下津町も和歌山の北部にあり、広い和歌山県内を移動するのはとても無理だと思われた。実際に地図を見てみると、高速がある程度伸びてきているものの、一般道は南北だけでなく東西に走る距離も長く、超ジグザグで紀伊半島を回る形となっている。
南紀白浜空港へ入って近隣施設を回って再び南紀白浜空港から羽田へ帰ることを考えていたが、初日は18時までに白浜へ入ればよいということだったので、思い切って関空へ入ることにした。これでレンタカーを借りれば白浜までの主要施設を見て回れそうだ。強引な計画であるが、今回もチキンしてこよう。
前日は残業が遅くなったことと興奮していたことで、ほとんど眠れなかった。頭の中は下津町と美浜町のことでいっぱいだ。地図にない場所でその他いろいろ発見できるかも知れない。2時に就寝して5時に起きた。慌てて仕度をして羽田へ向かう。
この時間は京成線の優等列車が動いていないため、JRに乗り換えてさらにモノレールに乗り継ぐ。虫取り道具なども入っているので荷物がとても多い。乗換えにも時間がかかるため、空港までにかなりの時間がかかってしまった。
搭乗口に向かうと富士山が大きく見えている。今日は窓際が取れたのであとで上から見ることもできるだろう。
いよいよ関空へ向けてのフライトだ。
では行ってきます。
ベイブリッジを見下ろし、江ノ島の上を飛んでいると、やがて富士山が見えてきた。見事なものだ。大井川が水源から河口まで全部見えたり、北アルプスまで全部見渡せたりとなかなか壮大な光景であった。
あっという間に関空に到着し、関空快速に乗り換える。
日根野で紀州路快速に乗り換えるが、ここの乗り継ぎが非常に悪い。和歌山へ向かう車窓からアレを探し続けたが、残念ながら見つけることはできなかった。そして10時頃、久しぶりの和歌山の地を踏んだ。大阪へいた頃は仕事で時々訪れていたが、虫取りとアレに目覚めてからは初めてである。
レンタカー屋へ直行し、バリバリ新品のシエンタを貸してもらった。傷ひとつない。本当はヴィッツくんの方がよかったんだけどなぁ・・・
さっそく最初の目的地、下津町へ向かうことにした。

和歌山の市街地から和歌山インターへ入り、一気に南下する。
虫取り的にはとてもワクワクする風景だ。インターを下りて一般道をグネグネと走る。海岸線まで山が迫っているのが和歌山県の典型的な風景となる。そして山はほとんどがミカン畑だ。
あっという間に下津町に到着した。いよいよ全国火葬場案内に載っていない火葬場を初めて見ることとなる。
しかし、最初のこの施設、山の中にポツンと存在していることが見て取れる。道はあるのか???
麓から確認しようとしたが、建物といえばミカン搬送用の小屋だけだ。もしかしてなくなっている?
とにかくそこを目指して車を走らせてみることにした。
狭い狭い道をグネグネ走っていくが、全然わからないうちに通り過ぎてしまった。
仕方なく引き返していく。目指す場所は山全体がミカン畑になっている。その山の上の方に施設があるはずだ。
しかし、そのみかん畑への登り口がどうやっても見当たらない。
3本くらい極細の道を入ったが、いずれも民家にぶち当たって、そろそろと引き返す。本当に道が狭い。どこへ逃げても道が狭いのでとても苦労する。まだこの車を運転し始めて数十分なのだから、車輌感覚もロクに掴めていない。カンベンだ。
結局30分ほど周辺を走り続けた。遠くから見たり、近くで細い道にチャレンジしたりしたが、まだ山へアクセスできない。
ダメ元で民家の庭のような場所を走ってみると、ようやく標高が上がり始めた。アスファルトではなくコンクリートの道だ。こんな道の先に地図に載るようなカソーバがあるんだろうか???
道はすごい角度で曲がっていて、しかもすごい角度で登っている。運転していても道の続きが見えないくらいだ。しかも車幅ギリギリで路肩などない。踏み外せば自動的に道の下へ落ちることになる。絶対に軽トラでしか入れないような道に迷い込んでしまった。
しかし、もう後戻りはできない。地図上では間違いなくこの先にカソーバがあるはずだ。
相当上の方まで登ってみたが、みかん畑以外には何も見えない。そうするうちに、なんと前から軽トラがやってきた。(+_+)
思いっきりバックしてもらい、車がやり過ごせる畑の場所まで戻ってもらった。それから先方は窓から顔を出して、
「こんなところで何してんねん?」
などと聞いてくる。実に当たり前の質問だ。こんなところへ上がってくる車はみかん畑の持ち主の軽トラ以外にはあり得ない。
まさか「カソーバ探してます」なんて言えないし、「虫取り・・・」も変な顔をされるに決まっている。怒られるかも知れない。
「道に迷いました〜」と答えると、「この先何もないからここで切り返して下りれ」とのこと。従うしかない。
4回くらい切り返してようやく車の向きが変わった。それから麓に向かうのだが、ここからが大変であった。とにかく急な下り坂を急カーブで下りなければならない。絶対落ちると思った。カーブのたびに坂道発進の要領でバックに入れて切り返す。このシエンタ、変速機は変な場所についているし、サイドブレーキは足で踏むタイプだし、何もかもが自分の車と違うので非常に勝手が悪い。ヴィッツだったらなぁ・・・
さっきの車に先に行って欲しかったのだが、結局後ろにくっついてくる形で坂を下りた。
何とか無事に麓に着いたが、和歌山最初の施設は諦めるしかなかった。麓から何度も何度も確認したが、見えるのはミカン搬送用の小屋だけで、どうやらカソーバは取り壊されているようであった。
いきなり最初でつまずいてしまった。盛大に時間と体力を消費したのであるが、なんせここから次のカソーバまでは300メートルかそこらしかない。移動は簡単だ。
次の施設は地図上では道の横にある。今度はすぐに見つかるだろう。
地図の通りに進んでいくと、カーブの途中に山沿いに上がっていく道が見えた。お地蔵さんが延々と並んでおり、間違いなくここにアレがあることがわかった。
しかし、その道も車幅ギリギリという感じで、とにかくその道へ入るタイミングを失ったので一旦通り過ぎて、切り返して戻ってきた。
どうしてこんなに狭い道ばっかりなんだろう?
再びさっきの道へチャレンジする。坂を登り切ったあたりに見えてくるはずだったのであるが・・・
六地蔵の向こうに見えたのは草ぼうぼうの空き地であった。
あぁ・・・
何とかカソーバの痕跡を探そうとするが、見えたのは六角形の棺台と、その上に載っていた壊れた壷くらいで、あとは何にもなかった・・・
うぅ・・・
けっこう苦労しているのであるが、全く結果が出ない。
仕方なく登ってきた道をバックでソロソロと下りた。
今の常識だと霊柩車の通れない道の先にカソーバは作れない。車でアクセスできる場所にあるものであるが、そういえば昔の記憶を思い出してきた。
それは高校の頃見た昼のワイドショーで映し出された葬列の様子であった。何の事件か覚えていないが和歌山県だったのははっきり覚えている。被害者の葬列の映像であったが、衝撃的だったのはその中心にあるものであった。もちろん葬列の中心は遺体であるが、それは霊柩車ではなく、霊柩車のお宮の形をしたお神輿のようなものであった。
サイト上でよく登場する手押しの霊柩車ではなく、車のついていないもの、つまりお神輿のように担ぐものである。それが霊柩車のお宮の形をしていた。その映像を見た瞬間、一気に気分が悪くなり、食べていたカレーを残してしまった。以後、カレーを見るたびにその映像が目に浮かび食欲がなくなった。実は今でもそのブランドのカレーは食べることができない。
和歌山にはそういう文化があった(今でもある?)ことを急に思い出した。だから車の通れない道の先にもカソーバがあっても不思議ではない。
次に行く場所は、小高い丘の上に墓が異常にたくさんあったのですぐにわかった。こんなにたくさんの墓地、人口に対して多過ぎないか?などと思ったのであるが、考えてみると今生きている人よりも死んだ人の方が何億倍も多いわけだから、墓がたくさんあるのは当たり前の話である。で、その丘に近づくのがまた大変であった。
まっすぐに近づく道はなく、異様に狭い踏切を渡って一旦市街地へ入る。市街地の中の道も異様に狭く、グネグネ曲がっている。再び別の踏切を渡ると、ようやく丘の方へ道が近づいていく。すでにこんな道は地図には載っていない。車幅ギリギリの道を行くと、墓地の横をずっと回っているようであった。どこかに車を停めたいのであるが、全くそういうところはない。
仕方なくかなり先の方まで行ったところ、何とか墓の入口に車を停められる場所を見つけた。ギリギリだけど・・・
まず探したのは煙突であるが、全くそんなものはどこにもない。小屋が見えたが、これはアレではなさそうだ。場合によってはアレかも知れないが、中を覗くとミカンの箱がいっぱい積んである。それからさらに狭い階段を上に上がってみた。六地蔵の先にお地蔵さんがあり、不気味な空間が広がっていた。滋賀のように「南無阿弥陀仏」の石碑はないが、だいたいここが何だったのかは想像がつく。
あぁ・・・
期待しながら回った下津町の3つのカソーバは全部跡形もなく壊されていた。火葬場案内では確かに「下津町斎場」という表記があった。地図の情報は新しいと思っていたので大きな期待ハズレであった。
トボトボと車に戻り、道の続きを走って国道に出るつもりであったが、あまりにも道が狭いので引き返すことにした。
車を切り返していると、いきなりガガガガガガ!っと音がして、変な抵抗感がハンドルに伝わった。どうやら横を擦ったらしい。(+_+) とうとうやったか・・・ 今日はそんな予感がしていたが、バリバリの新車を思いっきり傷つけてしまった。
それから紛らわしい名前の踏切を渡り、一旦街中へ出てから国道に合流する。
ツライ旅だ。

下津町には本当にがっかりした。車をガリガリやってしまったので気分も落ち込んでいる。こうなったら美浜町に行って気を取り直すしかないだろう。全国火葬場案内を見ると、美浜町には3つの火葬場があり、そのうちの松原火葬場については地図上でも「松原火葬場」と表記されている。期待するしかないだろう。
一旦有田市まで下って、そこから高速を目指す。有田市にも施設はあるが「斎場」と書いてあったのでパスだ。ここから一気に御坊まで下ることにする。今日は天気がいいので気持ちがいい。ちょっと暑いかも。
御坊で下りて西へ向かい海岸線を目指していく。それほど走らないうちに美浜町へ入った。やっと1件カソーバを見ることができそうだ。
真っすぐ走っていたが、どうやら最初の目的地はもっと手前から曲がらないといけなかったようだ。今度は南の海岸線を目指して走っていく。ところがここも非常に狭い道を走ることとなった。それも途中で終わっていたりする。また引き返して別の道を行く。
そうするうちに、ようやく海岸線の方へ出た。その名の通り松原が延々と続いている。そんな松原の横にイヤな看板を見つけた。「美浜町斎場1,600m→」などと書かれている。斎場?? 聞いてないぞ〜。(+_+) せっかく関空経由でここまで来たのに、これでは何の意味もない。しかし、3つもあるのだからなんとか(廃)だけでも残っていて欲しい。
美浜町斎場と書かれている場所と松原火葬場に微妙に距離があったので、どうやら建て替えられているわけではなさそうだ。
松原の中の暗い道を走っていると、突然広大な墓地が見えてきた。ここか!
真っ先に周囲を見渡して煙突を探してみる。
・・・ないか
まずは車をどこかに停めなければならないが、適当な場所が見つからない。墓地へ入る道が何本かあるのであるが、どこも車1台分の幅しかなく、いずれも車で入るような道ではない。
それでもちょっと停めてみようと思ったが、本当にギリギリだったのでヤバいと思い引き返すことにした。今日何度目かのバックに入れて車を下げようとした瞬間、「ガゴゴゴゴ!」と音がして動かなくなった。
あ〜あ、またやっちゃった・・・
すでに諦めムードだ。新車のレンタカーをまたゴリゴリやってしまった。
自分の車は最低地上高が高いので、ほとんど気にせずに行ける場所でも地上高の低い車では慎重に行かなければならない。なんて今頃思っても遅すぎるんだけど・・・ 自分の車をこういう形で傷つけたことは一度もないのに、今日はどうかしている。
で、肝心な松原火葬場であるが、見渡す限りで建物は3つしかなかった。管理小屋みたいなのがひとつ。トイレがひとつ。なんだか怪しい建物がひとつ。アレがあるとすれば最後の怪しい建物であるが、遠くからでもはっきりと「†」のマークが見える。十字架だ。屋根と壁に見えている。
近づいてみても新しい発見は何もなかった。サイズは炉が入るくらいの大きさではあるが、これはキリスト教の墓のような気がする。何だろう?
森の奥までいろいろ見てみたが、結局これ以外にはそれらしい建物は何もなかった。
もしかして・・・
今車を停めている駐車場が火葬場跡地なのではないだろうか? やけに舗装が新しいし、スペースや立地条件も適している。そうやって考えるのがいちばん自然なように思えてきた。
どっちにしても車を擦っただけで何一つ収穫はなかった。どうなってるんだ?和歌山!
ガックリと肩を落としてまた松原の中を走っていく。本当にすごい数のマツで、陰湿な感じを受ける。
さっきの斎場の案内に沿って進んでいくと、墓のかたまりの中に真新しい建物が唐突に現れた。これが美浜町斎場であろう。
そして、和田火葬場の跡地だと思われる。住所的にはここは和田であるし、この細長い町で火葬場を作るとすればここくらいしかないと思われる。地図には和田火葬場は載っていなかったが、ほぼ間違いなくここだと思った。
5件目にして見つけた施設は異様に新しい斎場であった・・・
がっかり。
さて、美浜町の3つめの火葬場を目指してさらに西へ走る。前の2つがこんな状態だったので、すでに期待はできない。
三尾の集落までは地図に載っておらず、あとは勘だけで探すしかない。
松原が切れて海っぷちを走っていく。実に横長な土地だ。すでに集落は切れて風光明媚な太平洋の景色が広がっている。
いくつかの起伏とカーブを越えて、ようやく三尾の集落へ到着した。これだけ町が狭ければ案外簡単に探し出せるだろう。要は墓を基準に探せばよい。
すでに虫取りのことはすっかり頭から消えている。初の和歌山での採集なので是非とも結果を出してきたいところであるが、そんなことはどうでもよくなっている。
あるカーブを曲がった時に、山の上に墓地があるのが見えた。
あ、あそこだ。
さっそく近づいてみる。相変わらず細い道を急坂で登っていく。棺をかついでここを登っていくと中はどうなっていたんだろう?などと想像しながら墓地に近づくと、おじいさんが草取りの作業をしていた。人を見るとコソコソと逃げてしまうクセが虫取りでついてしまっているので、バックで切り返してその場をあとにした。
とにかく三尾の町を全部見てみよう。
あっちに行ったりこっちに行ったりしながら墓を探してみるが、やはりさっきの場所しかなかった。途中で虫取りを試みたが、これは早々に挫折して再びアレに戻る。
いい加減に時間が経った頃、再びさっきの場所に戻った。アレがどこにあるかは想像がついている。さっきおじいさんがいた場所の上に続く道の奥だ。周囲は森になっていたが、道の先は坂の角度の関係で見えなかった。
たどり着くとすでにおじいさんは帰られていて、堂々と車を停められた。
さっそく徒歩で坂を登ってみたが、その先にあったのは不気味な空間のみであった。
ここもやっぱり取り壊されたらしい。
古い施設を期待した6件は、1件が新施設へ、5件が更地へと化していた。1つ残ってれば報われたのに・・・
だんだん時間がなくなってきたので移動することにした。
今日の予定はあと1件、上富田の施設のみだ。
国道へ向かって走っていると、また道幅がどんどん狭くなってきた。家の塀にミラーが当たってガコっという音とともにミラーが畳まれる。当たってるし・・・
脱出しようと別の道へ行くと、どんどんハマっていく。信じられない。それでも何とかかんとか脱出し、国道へ出た。再び高速を目指し走り始める。

上富田町は今回の宿泊地で白浜の隣にある。御坊から上富田まではいくつかの施設があるものの、火葬場と呼ばれるものは自分の調べたところなかった。(寄れる場所には)
ということで、途中の印南や南部などで虫取りをしながら行くことにした。なかなかいい感じの場所を見つけては車を降りてみるが、お目当てのクワガタは全然出てこない。やっぱり気合が足りないのだろう。結局虫取りの成果としては最初の下津町の墓地脇で出したコクワ1匹に終わってしまった。
高速の終点「みなべ」で降りる。近くにアレがあるのは知っていたが、斎場という名前がついているだけでパス。一般道で上富田を目指していく。
田辺の市街地に近いところで斎場の表記が見えたので、ちょっとだけ寄ってみた。この程度の手間なら別に惜しくはない。
国道から100メートルほどのところでいきなり斎場が現れたが、当然新しいっぽい施設なので写真をちょっと撮って終わり。目指すは上富田だ。

さて、今日いちばん確実と思われたのが上富田火葬場である。出張が決まった瞬間に、宿泊先を地図のサイトで検索し、全国火葬場案内を見てここのカソーバの場所を調べてみた。ちゃんと町営墓地の横に「町営火葬場」との表記があった。地図サイトで火葬場がちゃんと載っているのも珍しい。それから例の空中写真でしっかり場所も確認し、地形や道順をしっかり頭に叩き込んだ。問題は煙突があるかないかだけである。
田辺から上富田はすぐなので、それほど時間はかからない。だんだん日も翳ってきたので早くしなければ。
初めての場所でも空撮を頭に叩き込んでいるので何となく勝手がわかる。
見覚えのあるカーブを曲がりながら坂を登る。
やがて墓地が右に見え、アレが左に見えてくるはずだ。なんせここまで見たのは新しい斎場が2件、ここで何とか挽回したいところだ。
道がどん詰まりまで行った。確かに右手に墓地がある。でもアレがない・・・
うそ〜〜〜。(+_+)
何かの間違いではないだろうか?
場所は絶対にここでいいはずだし、インターネットでも存在は確認済みだ。しかし、アレのある場所にはプレハブの小屋くらいしかない。煙突どころかアレ自体がないのである。
トイレつきのボロボロの小屋があったが、これはどう考えても違う。
完全に行き詰って周囲を見てみると、森の手前に不気味な空間が広がっているのが見えた。
あぁ、これか・・・
今日すっかりお馴染みの風景がある。
慰霊塔も何もないが、やっぱり跡地はわかるものだ。
本当にどっと疲れが出てきた。
何しに来たんじゃ、ワシ・・・
そして、今になってようやく独逸葡萄酒党様の白浜の取材を思い出した。近隣施設の廃止により白浜の施設の炉が増設された可能性があるとの記載があったような・・・
(あとで確認するとしっかりと上富田の話も記載されておりました。2000年に廃止されたとのことでした。)
そろそろ駅に着く同僚を迎えに行って、それからレンタカーを返しに行った。
傷つけたことを正直に報告したら、2万円をいただきますとのこと。
2万だって・・・
本当に何しに来たかわからない。
ここから1日半の研修に入る。
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