岩手県の火葬場レポート byい号炉様
++++++++++第3弾「宮古市の火葬場3例(常安寺、千徳、津軽石)」++++++++++
「三陸町営火葬場、本吉町営火葬場、志津川町営火葬場」
    


管理人のコメント
 い号炉様「岩手レポート」の第3弾をお送りします。
今となっては非常に珍しい「重油、薪炭併用火葬炉(千徳)」や
かなり旧式の「地下煙道取付型再燃炉(本吉)」及び、「可搬式
重油バーナー(本吉)」等が登場します。あと、補足ですが「千徳」
のデレッキ作業はバーナーを止めて、それをずらしたバーナー口
からデレッキを突っ込んで作業します(確かH市がそうでした)。

とにかく”火葬メカマニア”にはたまらない画像の連発ですね。

以下、い号炉様のレポート

事前の調査で、宮古市は未だ市内に3カ所の火葬場が登録されている
ことがわかりました。そして、それぞれが曹洞宗のお寺であり、火葬場は
寺の敷地の一角にあります。今回周った所に関して言えば、岩手県は
全般に大規模な墓山が多く、火葬場はその付帯施設として運用されて
いるものが多いようです。しかし、宮古市が市営として使用している津軽石は、
施設の老朽化もあり(そんなに古い感じはしませんが)、市は別の場所に
市営斎場を建設するようで、既に造成工事に入っているようです。

画像をクリックすると拡大画像が別ウインドウで開きます。

常安寺火葬場(寺管理・巨大墓山・煙突)

 
駅から1kmほどのここは、歴史のある寺ということもあり、
本当に「墓山」という言葉が当てはまる風情です。



 
鬱蒼と生い茂った木々が陽を遮り、湧き水が流れ苔蒸して、
昼なお暗い墓所を貫く、山越えの急勾配の道の脇に施設が
あります。隣町への近道として車が往来します。



 
建物自体は新し目ですが、煙突はそのままです。



 
丁度、お盆の時期であるので、朝から皆、お墓の掃除用具を
持って墓山に登ってきます。そんな中、どうみても「よそ者」が
火葬場をのぞき込んでいるのはフシンです。それでも意を決して
炉前を一枚撮影しました。
台車の押し込んである奥の明かりは点検窓でしょうか。



 
燃料はA重油です。



 
建物裏側に回ると色々出ています。
足元に骨つぼがいくつも置いてありました。
これは汚物炉でしょうか。



 
手前が煙道です。
汚物炉の煙突は本煙突の途中で合流しています。


千徳火葬場(寺管理・煙突)

 
2件目は曹洞宗善勝寺です。宮古市から内陸に3km程入った、
本堂に向かって左に回り込んだ山陰にあります。



 
で・出ました。資料によると昭和40年のものらしいですけれど、
中々の代物です。手前が広場になっているので車を置いて
向かいます。背後、すぐ近く迄民家があることも記しておきましょう。



 
確かに古い感じです。コンパクトですが威圧感を感じます。
待合棟は駐車場の手前に小じんまりしたのがあります。



 
ここは墓山の横にあるのですが、墓山自体も今迄のものと
比較すれば小規模です。この寺の檀家の方などの場合のみ
使われるのでしょうか。果たして現役かどうかは不明です。



 
サッシではないガラス窓が風に揺れます。ガラス窓に
張り付いて写真を撮りますが、写り込みが激しいです。
炉数は2基です。全ての物に年期を感じます。



 
ここも地下煙道ですね。



 
炉裏の窓も透明ガラスなので、中が観察できました。
天井からの裸電球がなんとも。炉も古いようです。
左手前は掃除機でしょうか。向こうの炉の下に扇風機と
花束群が置いてあります。主に手前の炉しか使っていない
ようです。



 
炉の上に金銀色の葬式の装具が飾られています。
バーナー右に「正和式」と刻印のある扉が。今迄
見た事がありません。どんな構造なのでしょう。



 
バーナーが外されています。こういうタイプの場合、
デレッキ作業はどうやるのでしょう。胆沢町のも
それらしき窓がありませんでした。


宮古市営津軽石火葬場 (寺・墓山)

 
曹洞宗瑞雲寺境内にあります。寺自体はキレイで広々としています。



 
向かって右手の墓山の中腹に火葬場施設があり、
宮古市が市営火葬場として運営しています。
工場のような短煙突タイプです。左手前に見えている
のが待合室。



 
施設自体は古くなく、千徳のような暗さも味もありません。
それでも老朽化と需要が増えていることから、下水処理場の
奥に新施設を建設中です。



 
中を覗くと、これから「お迎え」するようで、耐熱扉も開けっ放しで
台車がセットされ、受け入れOKの状態です。五徳はあるけど聖砂は
無いようですね。奥の作業室で業者さんが雑誌を読んで時間を潰して
います。



 
ベンチがありますが、場所的に座りたくありません。待つことしばし、
やはり一組の葬列がやってきました。30分ほど後、低くバーナーの
唸りが聞こえ始めました。しかし、火葬が始まっても全く煙は出ません。
短煙突からは陽炎が立ち上っています。再燃炉を充分予熱してあれば
火葬開始直後でも煙は出ないようです。



-------------参考---------------

 近代画家、富永太郎がこの瑞雲寺に下宿していた時に、
境内の火葬場を描いた、題名「火葬場」の画があります。
1921年の作とされるこの画はレンガ煙突と粗末な炉棟と待合?
が描かれ、季節は夏でしょうか、ヒマワリらしき花の無い植物が
高く生え、油絵を印象的なものにしています。


三陸町営火葬場(墓山)

 
わざわざ遠回りをして回ってみたのですが、昭和62年に
「浄霊苑」として近代化されていました。寺の裏山の墓所に
あります。



 
台車がぽつんと置かれていました。フルイとか箸が
生々しいです。炉の扉は前にもどこかで見たデザインです。




本吉町営火葬場(煙突)

 
気仙沼線の本吉駅の近くにあります。傍らの築堤が鉄道です。
特徴に欠ける建物は今風ですが煙突もあります。



 
燃料のドラムカンです。円筒金属製の煙道も変わってます。



 
窓が透明で、炉裏も見られました。なるほど、これが
「移動式」のガンバーナーなのですね。なんだかやたらに
煤けてます。炉の上に銘板が。「正和式火葬炉」で宮古のと
同じメーカーでした。もちろん築炉年代は違うでしょうけれど。
左右の錘りは耐熱扉と連動しているのでしょう。



 
アングルを変えて。右のは再燃焼炉で本体とは地下で繋がり、
先ほどの空中煙道で煙突に結ばれています。


志津川町営火葬場(煙突)

 
ここも中を見られませんでした。



 
建物裏手に夥しい耐火煉瓦の山がありました。



 
このような山が4ケ所ほどあります。



 
大槌町のようなレンガ炉を新型に換えたのかもしれません。
その廃材とかなのでしょう。


追記:釜石市旧火葬場
2年前に移転していますが、跡地を訪ねてみました。以前は墓山の
右手の道の突き当たりの高台にあったそうでしたが、今は駐車場に
整地されて跡形もありません。


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