岩手県の火葬場レポート byい号炉様
++++++++++最終回 「大槌町火葬場」++++++++++


管理人のコメント
  い号炉様の”岩手レポート”も今回のUPで最後になりますが、
ここに来てその「集大成」とでも言うべき密度の濃い取材報告を
頂く事が出来ました。火葬という儀式の持つセンチメンタリズムと、
一方でそれを生業とするリアリズムの交錯を感じさせる内容のレポ
ートです。それではごゆっくりどうぞ。

PS:い号炉様、渾身の取材本当にありがとうございました。

以下、い号炉様のレポート

ここは道に迷い、更に別の場所の墓山を探したりして、
たどり着くまでに時間がかかりました。しかしそれにより、
火葬の合間に取材することができました。新しい大型
スーパーの横を山に向かい少し入った山陰にあります。
比較的近くに民家もあります。

画像をクリックすると拡大画像が別ウインドウで開きます。

 

*い号炉様による注釈
 
火葬場に着くと、火葬・拾骨を終え、ご遺族が遺灰を遺灰塔に
収めて拝んだり、清めの塩を撒いたりしている最中。火葬場への
道は狭く、一度駐車場に車を入れないとUターンができないので、
仕方なく車を乗り入れます。エンジンを止め、息を殺して目立たない
ように居る(それでも目立つ)こと10分。遺族の方が全て帰られた
のを確認して車外に出ました。



 
建物から係員の方が出てきて、炉前を拭いたモップを洗ってらしたのに
思い切って声をかけます。訳を話すと先方から「見てみるかい」と招待
されました。意外な展開に戸惑いながら建物の中へ案内されました。




 
建物の窓は全部サッシですし、使用直後ということもあり、開く所は
全部開いているのですが、焼香用の部屋(炉前ホール?)は香の
匂いが重苦しく漂います。



 
炉の前は拾骨直後のため、引き出された台車式の火葬台から発する
熱気が籠もって暑いのなんの。火葬台車の新品は一台30万円する
そうです。100回も使うと表面がボロボロになるとのこと。申請してH13年
と今年、表面を張り替えてもらったそうです。



 
奥の2号炉を使った直後です。白熱灯が柔らかい感じです。



 
火葬直後の作業室に入ります。両側の扉を開け放し、
業務用扇風機を回して換気していますが、炉体から
熱気が伝わってきます。炉体は太陽築炉製。



 
炉の左に掛けられた黒板に、今日処理する方の名前が
書かれています。9時10分に開始しました。今は11時半
です。 装置が旧式なこともあり、所要時間は約2時間だそうです。



 
炉の背後から扉側を臨みます。耐熱扉昇降用の鳥居が見え、
真っ黒に煤けてます。それにしても、見事なオール煉瓦製の
炉で感動モノです。



 
燃料はA重油。このタンクも時代を超えてやってきた感じです。



 
炉と反対側の壁面足元の再燃炉です。
こちらのバーナーは新しいですね。



 
片隅に水を張ったドラムカンがあり、使用するデレッキが
何本も浸けてあります。水は定期的に換えるのでしょうか。
底に何か溜まっていたりしないのでしょうか・・。



 
2号炉のバーナーのアップです。冷却の為か口を開けています。
作業口も開いてます。



 
遺灰塔です。ご遺族自ら残骨を入れた直後ですので、
お供えがありますが、お墓と同様、このままではカラスに
荒らされてしまいます。



 
今日は火葬が2件あり、次回の火葬が1時からで12時半には
到着予定なので、作業員氏は忙しく立ち回っています。お供えの
ダンゴなどは無人の駐車場に投げます。すかさず待ち構えるカラス
の群れが舞い降り、彼等の胃の腑に収まります。


 あとがき.....

特に夏の作業環境は暑く厳しく、今日のように一日に2回もあるとヘトヘトになる
そうです。前々任者は20年で4000体。前任者は4年で800体。現在、氏は2年で500体
を手がけられたとのこと。

ここの施設は旧式で、バーナー自体も30年物の旧式だそうで、それらの設備をい
かに維持管理するか、作業員氏が腐心されています。氏が赴任される前は、対応が
悪い頃もあったらしく、焼け残りを裏山に捨てたりしたとかで、現在はM葬儀社に
民間委託運営されています。
氏は以前、自動車整備をしていた経験から機械には強いそうですが、それだけでは
維持管理は成り立ちません。行政は申請してもなかなか動いてくれないのが実情で
す。そこで氏は、無償で施設の整備に手を入れています。煙のことで近隣から苦情が
出ていたのを、自ら煙道を掃除、バーナーを整備・調整して、なるべく煙を出さない
ように心がけています。待合室の壊れていた換気扇を修理して臭気が入らないよう
にし、トイレの紙も常備、建物の周りの草木を刈り取り、供物などのゴミをまとめて掃除
を心がけ、訪れる人に暗い印象を持たれないようにしたり、手狭な駐車場の草刈りをし
広げて使いやすくしたり・・。

与えられた仕事を最小限ではなく、最大限にこなしている氏の熱意に感動した
次第です。こういう堅実な方に、ぜひ、作業をお任せしたいと感じる人柄でした。
氏の献身的な努力に、地元の理解と協力をお願いしたいと思います。


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