甲南衛生組合火葬場 by渓流ファン様
以下、渓流ファン様のレポート

富士川のゆったりした流れに面した身延線の井出駅は、ホーム1面、
保線引込み線(元貨物用)1本という小さな無人駅です。
ここは山梨県の南端、南部町です。
ホームの端のすぐ脇を踏切りで横切り、背後の山の上へと登る急な林道。
実は東海自然歩道の一部です。南部町、富沢町で作る甲南衛生組合の火葬場は、
この林道をしばらく登った傍らにあります。
あたりはギフチョウの繁殖地らしいです。
1車線のつづれ折りの坂道を登って行くと、いきなりこれです。
予想以上の「物件」でした。
カーブを曲ったとたん視界に飛び込んで来る煙突、
そして道ばたの「火葬場」の看板。
夜はイヤですね〜(笑)
夕暮れ近い暗さで、ちょっと手ぶれ起こしてます。
すみません。
さて、気を取り直して進入路から撮影。
急斜面に張り付くようにして建設された施設です。
煙突の脇を通って奥でぐるりUターンし、ポーチへと赴きます。
建物の裏手が丸見えですね。
火葬棟の正面です。
左から旧待合室、ポーチ(中は炉前室)、炉室、休憩室、煙突です。
以前投稿しました「裾花火葬場」と敷地条件、建物レイアウトとも似ていますね。
ますますもってマニア垂涎の品(?)と化しつつ在る、
「重油焚きのスス汚れ付き、コンクリ製地下煙道式長煙突」です。
先端には補強の金属環と避雷針付き。裾花と違い、こちらは立派な現役です。
高さは約12メートルあるかどうか。
塩山無き今、おそらくはこれが山梨県で最後の「火葬場の煙突」と推測されます。
急斜面に建設された新待合室です。
屋上は駐車スペースとなっています。
地形の関係で非常にユニークですね。
新待合室に通じる屋根付き渡り廊下です。
ご覧の通り階段で、火葬棟のポーチに通じます。
旧き良き(?)火葬場の3点セット、
「長煙突付き火葬棟、待合室、渡り廊下」をちゃんとクリアしてます。
場所を変えて林道の上から。煙突の先は煤けています。
再燃炉の有無に関係なく、重油炉ですから初期には煙が出るでしょうね。
林道にもたなびくと思われます。
重油タンクの表示です。
容量1500リットル。
炉数は建物の規模から推測して1基でしょうから、
かなりの容量に思われます。
休憩室の裏手。
謎の薪(周囲の杉山の間伐材流用?)が積まれています。
何に使うのかは不明です。
土地の慣習による何らかの用途があるとは思われますが…。
煙突基部右の青いトタン小屋の用途も不明。
排風機ないし再燃炉が収納されていると思われます。
あるいは汚物炉かもしれません。
煙突基部を進入路側から。
地下煙道方式と良く判ります。
上煙道でない方式(炉の化粧扉側左右側面から排ガスをダウンブロー、
地下煙道に導く)は、旧式火葬炉ではもっとも一般的だったそうです。
駐車場です。
収容台数は乗用車でほぼ6台。
火葬炉1基(遺族1組)ですから、これで十分でしょう。
(ほかにも停められる場所はあります。)
他にもディティールをいくつか撮影しましたが、
ことごとく手ぶれ起こしてました。
時刻は午後5時半すぎ。ちょっと暗すぎました。
最後にもう1枚。
進入路からの火葬棟と煙突の全景です。
失敗写真を画像処理しましたので、
画質や色が荒れてますがご容赦を。
この林道ですが、東海自然歩道に指定されてるだけでなく、
地元の抜け道のひとつらしく、
井出駅で写真を撮っていたら次々と車が降りて来ました。
時刻は午後5時半過ぎ(というか6時近く)
冬ならもう真っ暗なはず。
慣れれば平気ということなのでしょうね(笑)
とにかく、非常にオーソドックスな施設でした。