三郡衛生組合横川斎場 by渓流ファン様
以下、渓流ファン様のレポート

甲府盆地の南端、笛吹川や釜無川、その他大小河川が合流する、
南アルプス市(元中巨摩郡甲西町東南湖横川)に、中巨摩郡、
南巨摩郡、西八代郡の3郡で設立した衛生組合が運営する
広域の火葬場があります。
今年4月1日の南アルプス市成立にともない、甲西町ほか6町村は衛生組合から
抜けたそうですが、火葬場は継続使用するそうです。
平成2年、旧施設を全面改築したこの施設ですが、
南アルプス市成立に伴いふたたび改築・拡張も計画されているそうです。
土手上を走る県道140号線からの進入路から見た施設です。
平成2年竣工、火葬炉4基を持つ施設です。
すぐ傍らでは中部縦貫自動車道の工事が行われています。
かっては甲府盆地有数の水害地帯であり、治水工事や土地改良工事の後、
火葬場がもうけられたと推測されます。
駐車場です。土手の上が県道140号。
右手には目隠しの木立に囲まれて慰霊碑があります。
この火葬場の施設はおそらく2代目であり、
初代の施設はこの慰霊碑付近にあったと推察されます。
慰霊碑のアップです。
昭和43年の銘が彫られています。
ロータリーの進入路側から見た火葬棟です。
白を基調にしたスマートなデザインです。
知らなければ火葬場には見えません。
周囲は畑や荒れ地で、人家もないためか柵もありません。
(低湿の洪水地で宮入貝の棲息地でしたから、人家は希なのでしょうね。
※宮入貝は日本住血吸虫を媒介。現在は安全。)
慰霊碑の前付近から。
待合室が手前右に伸びています。
慰霊碑の前付近から。
待合室が手前右に伸びています。
構内には土手に沿って桜も植えられています。
すでにほとんど葉桜でした。
火葬棟の定礎銘板です。
平成2年3月。
まだ12年目ですか。…南アルプス市成立で全面改築されるとしたら、ちょっともったいない。
火葬棟入口です。
中はすぐに炉前です。
エレベータータイプの炉扉が4つ並んでいます。
収骨室等はなく、炉前で告別〜収骨というシンプルな様式。
前室付きかどうかは不明ですが、建物の奥行きから見ると、
前室はないかもしれません。
炉前その2。
もやもやしているのはガラスの汚れとストロボ反射です。
オカルト的な期待はなされないように(笑)
中が暗い上、ガラスへの景色の写り込みがひどくて、ストロボ反射覚悟でこうしないと、
炉前はろくに撮れませんでした。
待合棟です。
火葬棟とは渡り廊下でつながっています。
和室(8畳間程度)の和室2つと、共用のロビーがあります。
手前右から共用ロビーと出入口(兼喫煙コーナー:ロビーは禁煙)、和式待合室2、
湯沸かし室、トイレ洗面所、倉庫や事務室、そして火葬棟へと折れ曲がる渡り廊下です。
裏手に回り、背面です。
排気塔の一部が見えます。
2階と1階には機器用(交換や修理等)のアクセスドアが設けられています。
左側1階部分の張り出しは職員休憩室と思われます。
裏手には得体の知れない銀色の箱がありました(2つ)。
その1つです。
上面にある投入口の周囲には白い粉状のものが。
遺骨か、それとも台車に敷く霊砂(火葬中に遺体から出る汚水、脂などを吸着し
燃焼を助ける砂)でしょうか?おそらくは残骨収納ケースと思われるのですが・・・。
裏手の壁沿いに耐火煉瓦が積まれていました。補修用でしょう。
…が、一部には苔が生えていて、使われた雰囲気がありません。
耐火煉瓦は水濡れ(吸湿)厳禁だそうですから、
これはもう使われていないのかもしれません。
ちなみにSK-34番の規格です。
規格では「粘土質・軟化温度摂氏1400度」だそうで、
最高温度1200度程度までの各種の炉の内張りなどに使われるそうです。
火葬炉は通常800〜900度、最高1100度程度で運転されるそうですが、
最近は割れるたびに補修が必要な煉瓦でなく、耐熱セラミックパネルの内張りが
増えているそうです。
裏手には霊柩車庫もありました。土手沿いにあり、霊柩車は前の駐車場から出入りすると思われます。
甲府盆地では今、桃の花がキレイです。
北部ではともかく、南部の果樹園ではほとんど満開でした。
果樹園と火葬場は、甲府盆地の歴史的な土地利用面から見れば、やや関係があります。
武田信玄以来、治水に勤めて来た甲府盆地ですが、洪水の害に加えて水害地には
日本住血吸虫病を媒介する宮入貝が棲息し、この火葬場に近いある町の死因の第1位を
しめた時代もありました。そこで積極的な土地の転用がはかられ、貝が入り込む水田は
大規模な果樹園へ、より危険な河川の合流点付近の低湿地や河川敷は、埋め立てされて
工業団地や火葬場など各種施設の用地へと姿を変えました。
現在、日本住血吸虫は完全駆逐されています。